研究内容

誘電体内部画像化法

拡張RPM法を用いた内部画像化手法

 我々は超分解能誘電体内部画像化を実現するため,独自に提案する 「RPM法の超分解能画像化原理」を内部画像化へ拡張し, 従来性能を凌駕する画像化「分解能」・「精度」を実現させることで, 革新的な内部レーダセンサのための基盤を構築することを目的としています. 図1はコンクリート内部の亀裂探知を想定した精緻な電磁界解析により生成した 散乱データに対して,合成開口(SA)法及びRPM法を適用した結果です. SA法の結果では,位相不確定性やコヒーレント処理に基づく虚像等が発生し, 亀裂の位置や形状を正確に把握できないことがわかります。 一方、RPM法では,らせん状の空洞の3次元形状を正確に再構成していることがわかります. この精度は,使用している電磁波の波長の1/100波長程度の精度で、 従来のレーダ画像の精度を大幅に超えていることがわかります。
また図2には,実際に内部に4つの空洞を設けたコンクリート試供体に対して, 1-3 GHz帯の UWBレーダにより内部を推定した結果を示します。 同図から,両手法とも直径が30cm程度のコンクリート内部の亀裂の個所を 特定できていることがわかります。ただし、SA処理では空洞のサイズや形状を正確に 判別できないことがわかります。 これに対して、RPM法を用いた立体形状推定では,直径1cm程度の 4つの空洞のサイズを良い精度で推定することが可能であることがわかります。

今後の課題

 RPM法による高分解能・高精度な内部画像化推定の利点を 内部の誘電率推定へと展開させる研究を実施しています。 内部の物性(空洞、鉄筋、液状化)は誘電率によって判別できるため, トモグラフィ的な処理を併用することで,その識別精度を格段に改善することが見込まれます.

学会発表資料 (ISAP 2017)

図1:拡張RPM法を用いた3次元内部イメージング例(数値シミュレーション)

図2:拡張RPM法を用いた3次元内部イメージング例(実機実験)

参考文献

  • Shuto Takahashi and Shouhei Kidera,
    " Acceleration of Range Points Migration Based Microwave Imaging for Non-destructive Testing ",
    IEEE Antennas and Wireless Propagation Letters, Vol. 17, No.4, pp. 702-705, Apr., 2018.
  • Toshiki Manaka, Shouhei Kidera and Tetsuo Kirimoto,
    " Experimental Study on Embedded Object Imaging Method with Range Point Suppression of CreepingWave for UWB Radars ",
    IEICE Trans. Electron Vol.E99-C,No.1,pp.138-142, Jan. 2016
  • Ryunosuke Souma, Shouhei Kidera and Tetsuo Kirimoto,
    "Fast and Accurate Permittivity Estimation Algorithm for UWB Internal Imaging Radar",
    Asia-Pacific International Conference on Synthetic Aperture Radar (APSAR) 2011, Seoul, Korea, 26-30th, Sep., 2011.
  • Ken Akune, Shouhei Kidera and Tetsuo Kirimoto,
    "Fast and Accurate Imaging Algorithm for Targets Buried in Dielectric Medium for UWB Radars",
    The XXX General Assembly and Scientific Symposium of the International Union of Radio Science (URSI), Istanbul, Turkey, 13-20 Aug, 2011.